ピクシー絵本求む!(1)
私の幼少期にピクシー絵本というものがありました。10cm角ほどの小さなペーパーバックの絵本です。
小さくて薄い絵本ですから、書店のレジの近くに、半球状の透明のケースに入れられて販売していた記憶があります。上部に丸い取り出し口があって、そこから欲しい本を取り出して購入するのです。
ペーパーバックですから、価格も100円前後とリーズナブルだったと思います。
私はこの本を何冊も買ってもらっていました。ちょうどちょびっとクラブに来てくれている子どもさんたちと同じ年頃のことです。
母はこの本をバッグに忍ばせて、私をあちこち連れて行きました。
幼稚園に上がる前の2歳とか3歳頃の出来事ですが、今でも覚えているピクシー絵本に関する具体的な記憶があります。
それは母が講演会のようなものに参加した時のことでした。当時では珍しかったと思いますが、託児付きの講演会でした。
私は母に託児コーナーに連れていかれました。入口で、普通に優しそうな先生と、その奥で遊んでいる自分と同じ年頃の子どもたちが見えました。
私は知らない大勢の子どもたちの中に入っていき、そこでいつまで待たされるのか分からない状況になるのが嫌でした。
そこで、隣で本を読んで待ってる、というようなことを母に伝えたのだと思います。
それが許可されたらしく、私は講演会の間母の隣に座って、ずっとピクシー絵本を静かに読んでいました。そもそも、託児付きでなければおそらくいつもそうしていたのですから。
ピクシー絵本はデンマークの絵本を翻訳したものです。
私は北欧が好きで、自分でもなぜだろうと思っていたのですが、人生のスタートの頃に北欧の文化に触れていたからかもしれません。
ピクシー絵本の思い出、続きはまた次回。