「新しいサロン方式」
4月になりました。
ちょびっとクラブサロンは、昨年の3月に活動休止して以来、まだ再開の目処が立っておりません。
あの頃、多くの未就園児向けサロンやサークルが休会を余儀なくされていたと思います。
その後、学校の再開と同時に、少しずつ開催されるところが出始め、今ではレギュラー開催に戻っているところも多いと思います。
ところが、子育てフリーペーパー等で写真を見かけるサークルやサロンは今までと何か違う。
それは、大人が皆マスクをしているということです。
あるいは、写真には表れていませんが、消毒液の設置等もデフォルトになっているのかもしれませんし、皆でお弁当を囲むのもやっていないかもしれません。
このような「新しいサロン方式」で、ちょびっとクラブを再開しても良いのか…私は二の足を踏んでしまいます。
その理由はいくつかあります。
まずは、「マスクの着用」「消毒液を使用してのこまめな消毒」「フィジカルディスタンス」「黙食」などの、今現在推奨されている方式が、本来の幼児の生活に馴染まないことです。
幼児期というのは、もともと上記の事柄とは真逆の世界です。
例えば保育所などのように、否応なしに多くの子どもたちの生活の場を提供しなければならないところならいざ知らず、あくまでも生活のオマケとして選択するサロンでそのようなことをやってまで開催する意義が見えないのです。
それでもサロンやサークルを開催している所は、「未就園児と母親が家庭という密室に閉じ籠らざるを得ない状況を救い出す」という使命があるのかもしれません。
ですから皆さん、参加する時は大人はマスク着用で、手を消毒してくださいね、と、妥協できる部分は妥協して頑張って開いているのでしょう。
少しここでちょびっとクラブの目的を考えます。
ちょびっとクラブはそもそもあらゆる世代の方に向けて、絵本の魅力を発信するクラブです。
ところが、ちょびっとクラブのサロンに集う方々は、時間帯や内容の都合もあり、ほぼ未就園児とそのお母さんです。
ですので、他の育児サークルやサロンとの違いと言えば、「絵本を介した、絵本活動を中心に据えたものである」ということです。
つまり、ちょびっとクラブのサロンでは、読みかたりが活動の中心的位置にあります。
そして、その読みかたりですが、マスク着用でやるには色々と問題があります。
・声がくぐもり、クリアな発声にならない
・読み手の表情が見えない
箇条書きにするとたった2つかと感じられるかもしれませんが、この2つは極めて大きな問題点です。読みかたりにおいては致命的なことなのです。(これについてはもう少し詳しく別のところで述べた方が良いと思います。)
感染症対策ではさまざまな専門家により色々な意見があり、実はこれをやれば完璧、などというものはありません。
しかし、今現在暫定的に「マスクの着用」「消毒液の設置」「フィジカルディスタンス」「飲食を控える」等がスタンダードとされ、公の場ではそれらを遵守することが求められます。
そうすると、ちょびっとクラブでサロンを開く場合も、お部屋を貸していただく立場としてはそのような形式でやらざるを得ないでしょう。
果たしてそれは本当に子どもたちとそのお母さん方のためになるのか…
のびのびと動き回り、お弁当を囲んで楽しく語らうことができなければ、ほとんど意味がないのではないか…
今はサロンメンバーの方々へ毎月定期的に絵本の紹介をすることによって、なんとか細い活動の糸をつないでいこうと必死ですが…
再開までの道のりの遠さに、途方に暮れている今日このごろです。