絵本といっしょに ~ちょびっとクラブ~

絵本をこよなく愛するメンバーによる、良質な絵本を楽しむクラブです。メンバーのひとり、Kの日々思うこと。

世間の目

かつて私たちちょびっとスタッフの子どもが幼児の時から、「世間の目」というのは、子育て中のお母さんたちを悩ませるもののひとつでした。

今でもその悩みを抱えているお母さんたちがいるかもしれません。

 

そもそも何の責任もとらない「世間の目」なんて、本当は気にしなくて良いのです。こういうことを書くと、傍若無人に振る舞うのを容認しろということかという、極端なことを考える人もいるようですが…もちろんそうではありませんよね。

ある立場では、社会の中で、色々な立場の人がいて、皆それぞれに公序良俗に反しないよう、配慮し合っているものだと信じ、寛容になること。そして、別の立場では、そのようにふるまっている限りは、たまたま攻撃的な視線を感じても、それはその人の問題であり、自分に落ち度はないことを認識し、いちいち落ち込まないこと。その時その時の立ち位置で、このように相手のことに思いをめぐらせることが必要です。

 

ところが、なぜか子育て中のお母さんに対する世間の目はやはり厳しい。

 

もう昔のことですが、スーパーでこのような光景を見かけました。

その子は私の子と同じ育児サークルに参加している子でした。お母さんはお仕事をされているのでしょう。おばあちゃんがボランティアを兼ねてお孫さんを連れて来ていたのです。素敵な、良いおばあちゃんです。

ところが、そのおばあちゃんは、このやんちゃな孫の扱いがあまり上手とは言えませんでした。

サークルでもよくわがままを言っておばあちゃんを困らせている子でしたが、その時、そのスーパーでも野放し状態でした。

私は少し離れたところを通っていて、その光景を目にしたのですが、騒がしく走り回っている子を見て、眉をひそめ、母親を見つけたら睨み付けて注意してやろうという表情の男性が何人かいました。彼らは、怒りをぶつける相手を探しだそうと、懸命にその子を険しい表情のまま、目で追いかけていました。

 

ところがその時、驚くことが起こったのです。

私もおばあちゃんの姿を探していたのですが、その子がおばあちゃんの所に一旦戻ってほっとした時、先ほどまで睨み付けていた人たちが、視線の先のおばあちゃんを認めて、ふっと頬を緩め、なんだばあちゃんならしょうがない、という感じで微笑みを浮かべていたのです!(実際、なんだばあちゃんか、と呟いた方もいました。)2、3人いた人たち全て同じ反応だったのです。

 

幼児を持つ母親である私はなんだかやるせない気持ちになりました。

なぜ母親たちにばかり冷たい目を向けるのだろう、というのが、被害妄想ではなく、本当にそうじゃん!という衝撃。

 

若いお母さんたち!

社会の中で常識的にふるまっているなら、何も気にしなくていいですよ!

世間の目なんて本当に勝手ですから!